2025.05.05

高血圧とカリウム

高血圧の診療に際して、減塩が重要であることは良く知られていますが、最近ではカリウム摂取を増やす事が注目されています(ナトリウム/カリウム比)。
カリウムは、細胞、神経、筋肉などが正常に機能するために不可欠なミネラルの一種ですが、重要な点としてナトリウムの体外への排出を促す作用があります。そのためカリウムを豊富に含む野菜・果物をたくさんとることは、塩分のとり過ぎを調整する意味でも重要です。
普段から塩分を控えようと努力されていても、ある日の献立で塩分を取りすぎてしまうという事は誰でもあることです。そういう時は、カリウムを多く含まれた食品を多めに摂取することで、結果的に塩分(ナトリウム)が尿に出てくれることで血圧への影響を小さくする可能性があります。
塩分を控えようと減塩醤油を使ってみようと思う方が多いと思いますが、減塩醤油にはナトリウムの代替えでカリウムが含まれる事が多く、ナトリウム/カリウム比の観点から有利なものです。

またカリウムが多く含まれる食品には、例えば野菜類では、かぼちゃや切り干し大根やほうれん草、ニンジンなど、果実類ではドライフルーツ類、バナナなど、豆類では納豆、煮豆など、きざみ昆布やヒジキ、とろろ昆布などの海藻類もカリウムが多く含まれています。また肉類では牛ではヒレなどの赤身肉、鳥ではささみ肉、マグロはトロより赤身にカリウムが多く含まれます。
そのためお味噌汁にとろろ昆布を入れるのも良いですし、もし焼肉などを食べる場合は、ヒレや赤身肉を中心に食べてほうれん草サラダを食べるのも効果的です。

一方で一部の降圧薬や腎臓病の患者様は腎臓からのカリウム排泄力が落ちている可能性があるため、持病がある方は一度ご相談してください。先に一例で挙げた減塩醤油にもカリウムが含まれない商品もあるため成分を一度確認するのも良いでしょう。

大型連休中ですが寒暖差が大きく、体調の悪化には御注意ください。
PS.本年の4月より当院のチーム医療に栄養士さんが加わってくれました。現在は心臓リハビリテーション中に運動療法をしながら栄養に関する相談を受けています。5月中旬からは栄養指導を始めていこうと目下準備中です。これからも岡崎、安城、豊田の皆様と健康を結ぶかかりつけ医として東大友内科は進んでいきます。

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