院長インタビュー
あなたと健康を結ぶ
「かかりつけ医」になる。
安藤竜二(以下安藤):東大友内科は、地域の人たちから「大友さん」と親しまれているそうですね。
はい。おかげさまで1987年の開院以来、地域の方たちと共に歩んできた中で、親しみを込めてそう呼んでいただけるのはとても嬉しいことです。私は2016年から父と併診を始めましたが、当初、診療はできても患者様の家族関係などは分からないので、カルテにメモ書きをしては診療後にスタッフから情報を集めて整理する毎日でした。最初は戸惑いましたが、ご家族のつながりや、地域でのつながりを知っておくことは、地域医療では特に大事なことだと気づきました。「あなたと健康を結ぶ かかりつけ医」を目指す東大友内科では必要なことです。今では多くの方と雑談をしたり、医療以外の人生相談などもしていただけるようになりましたが、それまで救急主体の大きな病院に勤務していた自分にとっては、想像もしていなかった医師像でした。
安藤:もともとは救急医を志望していたそうですね。
はい。それで医学部を卒業後、救急医療も修練できる名古屋第二赤十字病院の研修し、その後も循環器内科医として勤務しました。そうした経験から「藤田保健衛生大学病院(現 藤田医科大学病院)」ではER(緊急救命室)の立ち上げにも参加させていただきました。生死に直結する医療に携わる中で、専門の循環器内科以外で自分に何ができるかを考えるようになり、病気を少しでも早期に発見できるようになりたいという思いから、大雄会病院では自ら放射線科を志望して勉強しました。ここで経験を重ね、CTやMRIの読影を行えるようになったことが、当院での早期発見にもつながっています。また以前から当院には、風邪の症状であっても健康診断の結果を持参される患者様が多くいらっしゃいます。そうした検診結果や経過を診ながら、産業医や健康スポーツ医の立場からも必要な医療のアドバイスをさせていただいています。ここでも放射線科で培った画像診断の経験が生かされています。
安藤:多様な現場を経て、医療はどうあるべきだと考えますか?
当院のような規模の診療所では、総合病院のような検査が十分にできないからこそ、自らの経験値をもって速やかに判断することが求められていると感じていました。地域のニーズに応えられるように、勤務医時代には地方の野戦病院で当直させていただき人一倍経験を積んできました。当院で急性期疾患の加療をし元気になられた方から感謝されると、そうした経験が活かされていると同時に地域貢献できたと本当にうれしく感じますが、残念ながら当院のみでは対応出来ない急性期疾患もあります。特に循環器疾患の急性心筋梗塞や急性心不全などには早期診断を行い、いち早く総合病院へと橋渡しをすることが必要です。そのためには地域連携が大切だと思っています。当院からの紹介を速やかに受けていただき、元気になられたらまた当院で外来通院していただけるよう今後も日々精進が必要と考えています。現状に甘んじることなく、今後も可能な限り最新の治療や検査を勉強してまいりますが、医療も日々進歩しており最新の医療を専門以外で提供することは困難です。そのため、信頼できる医師にお願いして専門外来を開設し、当院で相談できる環境を整えた「チーム医療」で地域医療に貢献したいと考えています。
安藤:未曾有のコロナ禍を経験し、地域に対する医療の考え方も変わりましたか?
コロナ禍では2020年10月、早期からテントで感染予防をしながら発熱外来を開始しました。その後、地元の仲間たちが力を貸してくれたおかげで、駐車場に感染外来のブースを設置することができ、コロナへの診療体制を早い段階で確立する ことができました。ワクチン接種にも積極的に取り組む中で、地域の方々が当院に寄せてくださる期待を肌で感じました 。同時に、どうしたら地域を守れるのか、地域とどう向き合っていくべきかを考えさせられ、地域と共にある医療をめざ していきたいという想いが強くなりました。そこで、地域に貢献する医療を実現すべく2024年春には新しい設備を備えた 医院として生まれ変わります。
安藤:これからの東大友内科について教えてください。
2020年からはチーム医療にも力を入れ、循環器内科以外の専門外来にも幅を広げることで、地域医療に貢献できるよう努めています。症状ごとに他の病院に行くのではなく、当院で他の科も診療できるように専門外来の併設を進めています。現在は、これまで相談が多くても当院で対応できなかった内分泌内科・泌尿器科・皮膚科の専門医に来ていただき、生活の中で多い症状に対応できるようになりました。糖尿病、高血圧、甲状腺、アレルギー対応などを充実させ、中高年の方には生活習慣病をフォローできるように、高齢者の方にはトイレの悩みから対応できるような体制を整えています。病院をはしごする必要がないだけでも、特に高齢者の方の通院負担は軽減されると思っています。また、当院の特長である院内処方も同じで、薬局に立ち寄る手間がなく院内ですぐに受け取って家に帰れることは、患者様にとっても負担が少ないです。何より、処方する薬には責任を持ちたいという思いがあります。一般的に、循環器内科は処方される薬の種類が多いと言われています。それをなるべく簡略化することを心がけ、複雑にならないよう一包化を進めてきました。自分がかかりたい医院はどちらだと考えると、やはり院内処方をしている医院です。それがすべてだと思います。このように、地域に貢献できるようにと整えてきた体制に加えて、新しくなる医院では救急対応もできる医療体制にするため、検査の充実や病院との連携をしっかりとしていきたいです。さらに、現在はグループホームなどの高齢者施設への訪問医療を行っていますが、往診対応も充実させていきたい。産業医や健康スポーツ医の立場からもアドバイスを行い、リハビリや栄養指導や予防医療にも力を入れていきたい。まだまだやりたいこと、しなければならないことはたくさんありますが、まずは病気を早くに見つけること、救急にも対応できること、その人にあった治療・意向を反映した治療を行うことです。一つずつの積み重ねが、地域に貢献できる医療につながると信じて邁進していきます。
- 経歴
- 藤田保健衛生大学病院医学部 卒業
(現 藤田医科大学病院医学部) - 名古屋第二赤十字病院 研修医・循環器内科
- 藤田保健衛生大学病院 助教
(現 藤田医科大学病院) - 大同病院 循環器内科
- 総合大雄会病院 循環器内科・放射線科
- 医療法人久和会 東大友内科
- 所属学会
- 日本内科学会
- 日本循環器学会
- 日本心臓リハビリテーション学会
- 日本東洋医学会
- 資格
- 日本内科学会総合内科専門医
- 日本内科学会認定内科医
- 日本循環器学会循環器専門医
- 日本医師会認定産業医
- 日本医師認定健康スポーツ医