2025.03.10

心臓リハビリとサルコペニア

サルコペニアという病名をご存知でしょうか?
加齢や低栄養、低活動などにより筋肉が衰えた状態にあるとサルコペニアという診断がつきます。筋肉が衰えると、下の写真のように骨(白い丸)の周りの筋肉(灰色)が細くなったり、スカスカになっていきます。

心不全や肺気腫などのご病気を持つ方は、サルコペニアを発症する可能性が高いと言われています。サルコペニアのある方はない方に比べて、転倒や骨折、入院、認知機能低下などのリスクが高まるため予防、治療が大切です。

筋肉を鍛える特効薬はないため、運動療法+栄養療法が基本的な治療法となります。つまり、”しっかりと栄養をとって運動すること”が大切です。当院での心臓リハビリでは、まさにその取り組みを行っています。

2025年3月現在、有難いことに心臓リハビリに通う患者様は50名を超えています。心臓リハビリを始める際にサルコペニアの検査を行ったところ、25%(4人中1人)にサルコペニアを認めました。地域在住高齢者では10%前後と言われており、やはり心臓病の患者様はサルコペニアのリスクが高いことがわかりました。検査は簡便であり、体組成計での筋肉量検査、握力検査、バランス・歩行・立ち上がりなどの身体能力検査で調べることができます。

最近、心臓リハビリを始めて3か月が経つ患者様の効果判定検査をしています。すると、サルコペニアを認めた患者様の中でサルコペニアを脱した患者様が複数名いらっしゃいました。それ以外の皆様も、筋肉量が増えたり、筋力が上がったり、身体能力が改善したりしていました。コツコツと心臓リハビリを続けた効果が出ており、私たちも嬉しい限りです。

これからも岡崎市をはじめとする西三河地域の心臓リハビリを盛り上げ、心臓病の患者様方が元気になるお手伝いをしていきます!
東大友内科の心臓リハビリにご興味のある方は、いつでも心臓リハビリ室を覗いてください。

戻る