2025.10.04

東大友内科とフレイル予防(秋の味覚)

朝晩の空気がひんやりしてくると、患者様との会話にも「食欲が出てきました」「栗ご飯が楽しみです」といった秋の味覚の話題が増えてまいります。医師としては、そんな言葉に少し安心する瞬間でもあります。食欲は、心身の活力を映す鏡。とくに高齢の患者様にとっては、健康状態を見極める大切な手がかりです。

◎「食欲」はフレイル予防の第一歩
フレイルとは、加齢に伴う心身の活力低下を指す状態で、放置すると要介護へ進行する可能性があります。その兆候のひとつが「食欲の低下」です。
「最近あまり食べたくない」「食事が面倒になってきた」――そんな声が聞こえ始めたら注意が必要です。逆に、「食べたい」「美味しい」と感じることは、心身の活力が保たれている証。秋の味覚が“食欲のスイッチ”になるなら、それは立派なフレイル予防といえるでしょう。
◎秋の味覚は栄養の宝庫
秋に旬を迎える食材には、フレイル予防に役立つ栄養素が豊富に含まれています。
当院では、医師の診察に加え、管理栄養士による食事指導を通じて、患者様の食生活を支えています。
栄養指導でもよく取り上げる秋のおすすめ食材は以下の通りです:
o さつまいも・かぼちゃ:食物繊維とビタミンEで腸内環境と抗酸化力をサポート
o きのこ類:低カロリーでビタミンDが豊富。骨の健康維持に◎
o 鮭・さんま:良質なタンパク質とDHA・EPAで筋肉と脳の活性化
o 栗・銀杏:ミネラルとビタミンB群で疲労回復や神経機能のサポート
これらを「美味しく」「楽しく」召し上がることが、自然な形でフレイル予防につながります。栄養士からは「一品でも旬の食材を取り入れるだけで、食卓が豊かになりますよ」といったアドバイスも好評です。
こうした食材を活かすことは、まさに「医食同源」の実践です。食欲が戻ると、自然と活動量も増えてまいります。「買い物に出かけたくなる」「料理をするのが楽しい」
そんな日常の動きが、筋力維持や認知機能の刺激になります。
栄養指導の導入により、運動療法・食事療法・薬剤療法の“三本柱”が揃い、東大友内科は「あなたと健康を結ぶかかりつけ医」を目指す体制を整えました。

当院では、秋の健康チェックの際に「最近、何を召し上がりましたか?」「どこかにお出かけになりましたか?」といった質問を交えながら、フレイルの兆候を見逃さないよう努めています。必要に応じて、管理栄養士による個別相談もご案内しております。
フレレイル予防の第一歩となるよう、東大友内科では患者様の健康づくりを全力でサポートしてまいります。

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