新しいクリニックでの診療スタートが令和6年10月1日に決まりました。待ち遠しい気持ちでいっぱいですが、この酷暑の中で工事をして下さっている近藤組の方々には頭が下がる思いです。またクリニックの患者様の中にも、「屋外での運動は熱中症が心配で出来ない」と話される方が増えています。たしかに気温が40度に迫る現代の夏では、屋外の運動は危険が伴います。そんな中でたまたま、屋内で出来る運動の効果をがんの予防にフォーカスを当てた面白い論文を見つけたので話題にしたいと思います。
JAMA oncologyと言う米国のがん研究の医学雑誌にVigorous Intermittent Lifestyle Physical Activity and Cancer Incidence Among Nonexercising Adultsが投稿されました。この研究は運動習慣が無い22,398人(平均年齢62.0歳、男性45.2%、女性54.8%、白人96.0%)を対象に、短時間の激しい運動(VILPA)が、がんの発生率にどのように影響したかを調査したものです。VILPAとは、日常生活の中での短時間の激しい身体活動を指しており、論文では例として「速い歩行」や「階段の上り下り」等としています。
論文によると、1日あたり5分弱のVILPAが、がんの発生リスクを30%程度減少させることが示されました。また運動時間がたった1分であっても一定の効果があると示しています。日常生活の中での短時間の運動が、がん予防に有効である可能性を示しており、真夏の今は、家で出来る運動(階段の上り下り)をしていくのはいかがでしょうか。
コロナ感染を含め、感染症が流行しておりますので、手洗い・うがい・マスクなどの感染対策にも気をつけてください。
参考文献:Stamatkis E, et al. JAMA Oncology 2023; 9: 1255-9
2024.07.26